CATEGORY:アーチェリー

2021年03月20日

レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う

コンパウンドボウに対する一般的な認識としては、滑車の力を利用して、少ない力で引くことが出来る。実際、アーチェリーの大会でも、コンパウンドボウを使用してるのは女性や年配の方が多い。
私は成人男性の中でも腕力はある方なので、コンパウンドボウを使うのは軟弱だと思ってました。なので、アホみたいに強いリカーブボウを最初に買ってしまった訳だが・・。後で述べますが、結果的には超勘違いでした。

小型のコンパウンドボウを注文したのは良いが、全く届く気配がない(前回記事参照)。そこで、別のコンパウンドボウを購入してみようと色々物色始めました(コレクターの性か、沼に嵌りつつある)。まずはアマゾンで探す。評価もあるのである程度の指標になればと。
アーチェリー専門店だと、コンパウンドボウはとにかく高い。まあ、アメリカ製の本格的なのばっかりらしいので。アマゾンだと主に中国製。その分値段は安い。それでも安いので35000円くらいする。種類も多く、知識が乏しい所為もあって、かなり迷う。予算的には20000円前後に収めたかったので、AliExpressで数日掛けて色々見繕ってました(アマゾンにあるのはほとんどAliExpressで買える)。

まず、ボウ本体のみでアクセサリーや矢が付属しないのだと、大体予算内のがいくつかある。送料無料は価格に送料含まれてるのでそれなりの値段。ただ、値段が安いのは送料高かったりして、トータルで送料無料と変わらない。
ハンドルライザーの大きさ、ドローウェイトの強さ等で色々検証する。なるほど、コンパウンドボウは威力の調節が出来るのか。あと、ドローレングスって何?この時点では意味不明でした。
ドローウェイト30~70lbsでハンドルライザー大きめ、リムにアブソーバー付いてるのがなんか気に入ったので、注文。約21000円(送料無料)。カーボンアロー6本付きのもあるが、カーボンアローは以前買ったのがあるので、無しの方を選択。アロー無いだけで、アクセサリーは付属する。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
AliExpressのWildernessHunter Archery Storeというセラーから購入。注文から発送まで2日、発送から到着まで9日掛かりました。
外箱に厚めの包装紙巻いただけで、プチプチ不使用。外箱の一部に穴開いてました。中身は無事。
リカーブボウは分解された状態で梱包されてて自分で組み立てる方式だったけど、コンパウンドボウは最初から組まれた状態。
というか、ユーザーはバラせない仕組みになってる。まあ、専用の道具か設備があれば自分でバラせるが、基本的には購入したショップで弦の交換を行う。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
アクセサリーは、箱の奥の方に入ってた。ボウサイトとアローレスト。ゴムスタビライザーはライザーハンドルに組まれた状態。
六角レンチは自前のがあるが、これに使われてるネジの六角の穴、実はインチサイズなので、国内のミリサイズだと微妙に合わない。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
コンパウンドボウのキモ、滑車の部分。なんか、色々穴開いてるプーリーがある。
弦は外と内の2本使われてる。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
外側の弦に取り付けられてるピープサイト。リカーブボウには存在しないパーツ。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
アローレストは付属のを使用したが、ボウサイトかなり安っぽい出来で一番下のファイバーの先端折れてた。なので、前もって注文しておいた、別のセラーで購入したボウサイトを取り付け。
全体の大きさは、ご覧の通り。全長はちょっと短め(銃で例えるとカービンサイズ)。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
3つの弓の比較。リカーブボウがロングボウだとすると、コンパウンドボウはミドルサイズのボウと言った感じ。
しかし、最大威力はこの中では一番。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
重さ。
木製ハンドルのネイキッドボウは945g。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
アルミハンドルのリカーブボウは1660g。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
コンパウンドボウ、2420g。やはり重い。構えた状態だと、左腕を目一杯水平に伸ばして片手で重さを支える感じなので、デザートイーグルの実銃よりも重い物を片手で構えてる感じになる。ちょっとキツイかも・・・。
ハンドルライザーが短いタイプだと2kg切るのもあるが、その分、リム(湾曲して反発力を生み出す部分)が長い。バネ部分が短い方が安定してる気がしてこっちを選んだ訳だが・・・。というのは後付け。まあ、単に好みで選んだだけです
ちなみに、このスケールで弦を引いてドローウェイトを計測する事は出来ない。というのも、一定時間、重さが変わらない事が前提なので、人体で引いてる間は微妙に力が変化してるので・・・。このスケールでも大きな台座に固定すれば可能だが、今は持ってない。
ドローウェイトを測れる専用の道具もあるようだが、そこまで予算掛ける気ない。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
アロークイーバー。5本まで取り付け出来て、素早く矢をつがえる事が出来る。アタッチメントはどのボウサイトにも付けれる(規格が統一されてる)。ただこのクイーバー、8mmシャフトに対応してるので、手持ちの6mm径のカーボンアローはブカブカですぐ落ちる。




レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
コンパウンドボウは、とにかく構造が複雑。このパーツも、リカーブボウには無い部分。
これは、内側の弦をセンターからずらすパーツ。これが無いと、矢がぶつかる。



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ストリングアブソーバー。矢をつがえる外の弦をリリースした後、衝撃を吸収する部分。ちょっとセンターからずれてる。
どうやら、ライザーハンドルの穴開けがちょっと斜めになってるらしい。まあ、こういう部分が中国製品らしくて安心したと言うか。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
コンパウンドボウは、リリーサーを使う事が前提で作られてるのがほとんど。指で直接弦を引くのでは無く、金属製の爪をノッキングポイントに引っ掛ける。
U字型のノッキングポイントも、最初から組み込まれてる。
リリーサーは、トリガータイプのもあり、リカーブボウ使ってる頃から気になってました。まあ、リカーブボウではまず使わない器具ですが。


さて、コンパウンドボウを最初に引いた感想。あれ、引き始めは意外と重い。アルミのリカーブボウを半分くらい引いた重さが最初から。
滑車の力で楽に引けるんじゃ無いの?引くに従って段々重くなるが、ある程度引いた時点でいきなり軽くなる。で、引ききって保持する力は、リカーブボウよりもかなり小さい。これがコンパウンドボウの真の力か、と、しきりに感心したり。
初めて引いた時は感動しますね。

リカーブボウの場合引ききった状態で最大の重さが掛かってるので、その状態で長時間狙いを定めるのは非常に困難。だから、そんなに強いのは使えない。
その点、コンパウンドボウだと狙いを定めるのがかなり楽。という訳で、引くのが楽になるのではなく、引ききった状態を維持するのが楽になるんだと、理解しました
狙いをじっくり定める事が出来るので、結果的には命中精度も上がる事になる。進化した弓はここまで凄いのか!と、感心しまくりです!!
やはり、見聞きするのと実際にやるのとでは大違いですね

さて、気になるのは威力。まだ外で撃てる状態(雪が多くて山奥に入れない)じゃないので、室内で試し撃ち。
万一、的以外に当たったら大惨事なので(エアソフトガンとは比較にならない威力)、5mの距離で分厚い雑誌を的にし、後ろには段ボール箱数段重ねたのと、テーブルを立てかけておく。
しっかり狙ったつもりでも、左に大きくずれたり下に逸れたり。たった5mの距離でも、思ったように当たらない。段ボール軽く貫通してテーブルにめり込むのを引き抜いて撃ちなおす。エアソフトガンとは段違いの難しさ。まあ、銃に例えたらライフルというよりハンドガンに近い構え方になってる訳だが。左手をぐっと前に押し出して、そこで狙いを定めてる訳だし。
リカーブボウに関しては、後ろのサイトが無いので、矢を見て狙いを定める感じ。コンパウンドボウも、最初はサイトが合ってなくて矢の向きで狙い定めました。
そして、ただ漫然と狙うより、中てる!って気合入れた方が当たりやすい。なるほど、狙いを定める部分を人体が占めてる以上、気持ちが大事なんだと理解しました。
そして、なんとか中てれるようになったのがこちら。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
分厚い月刊漫画雑誌を貫通したのがコンパウンドボウ。1/3ほどめり込んだのが、アルミハンドルのリカーブボウ(木製ハンドルの方は、どこに飛んでいくのか分からないので)。引く重さはほとんど同じというかリカーブの方が少し重いくらいだが、矢の速度がかなり違う。射った瞬間の矢が飛ぶ感覚も、コンパウンドボウの方が遥かに速い。

矢の速度に関してちょっと考察。同じドローウェイトでも、リカーブとコンパウンドでは速度が大きく違う。その理由として、慣性の法則が挙げられる。リカーブの場合、最大値からリリースされるが、矢の速度はゼロからスタート。そして、リリースされた瞬間から弦が止まるまで、段々と加わる力は減っていく(最大値から最小値までストレートに移行)。
対するコンパウンドボウは、リリースした後、少し移動してから最大値になる。つまり、矢が少し動いてから加速される為、速度が高いんじゃないかと。
例えば止まってる車を押して動かす時、完全に止まってる車を動かすには相当な力が要るが、ある程度動いてると少ない力で動かせる。それと同様の現象が起きてるんじゃないかと推察します。銃弾も、銃身内で加速するから威力が出るけど、銃身が無ければ威力は出ませんし(ファンタジー漫画とかでカートリッジのみでの発射シーンとかあるが、あれ、普通はまともに飛びません。その場で四散するのが正解。まあ、謎理論で真っすぐ飛ぶようですが)。
アーチェリーの矢は、6mm径のカーボンシャフトで約22g(ヘッドの重さで前後する)。8mm径のグラスファイバーシャフトで30gちょい。それなりに重さがあり、前後に長いので貫通力もある。コンパウンドボウクラスになると、数値上は銃弾よりもパワーが低くても、貫通力はほとんど変わらない。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
矢羽根はPVCなので、耐久力はあるが変形しやすい。命中精度に影響するので、大会とかでは使えない。
まあ、練習用に使いまわししやすい利点があるけど。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
矢筒。アマゾンとかで1500円くらいするが、ダイソーの300円商品の賞状入れが全く同じ物。16本くらい入ります(6mm径の場合)。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
ドローウェイトの調整は、このネジで行うらしい。試しに隙間無くなるまで締め込み、上下共に最大値にして引いてみました。
全く引けない・・・。70ボンド舐めてました。60ポンドの木製ハンドルのリカーブボウを引ききった時より重い。
コンパウンドボウはその引き易さから、リカーブボウのように正しい姿勢で引かなくてもなんとか引ききれる。左の腕を真っすぐ前に向け、右手で手前に引っ張る感じに。しかし、最大値にしたこいつは、その方法だとびくともしない。クロスボウは80ポンドとか150ポンドとか、もっと重いのがあるが、あっちは両手で持って足も使い、背筋力で引っ張るからこそ出来る。片手を伸ばして水平に持ち、不安定な状態で腕のみで引ける人間は居ない(ウェイトリフティングの世界レベルなら可能かも)。

そこで、今まで何度も繰り返し練習してきたリカーブボウの正しい引き方(詳しくはネット検索)、右腕をある程度引き左腕を前に押し出す、これを力一杯気合込めて、やっと引くことが出来ました。あるポイントまで引けば軽くなるのがコンパウンドボウ、でも、さすが70ポンド、引ききった状態を長時間維持は困難なので、戻しました(空撃ちすると弦が痛むので、力込めながらなんとか)。
うーん、まだ70ポンドは早すぎたようです。ネジを上下共に4回転戻して、出荷状態とほぼ同程度に戻しました。70ポンドの威力で狙いずれると、壁貫通して外まで飛び出しそうだったし。また、バラせない以上、弦にかかる負担も出来るだけ減らしておきたかったので。
まあ、弦を交換出来るようになれば、70ポンドに挑戦してみようと思ってます、でも、現状40ポンド程度でも、十分な速度と威力が出てますけどね。
リカーブボウと比べてより少ないポンド数でも、矢の速度はそれ以上出てるので、力の弱い人でも強い人並みの成績残せそうですね。そういう意味では、女性や年配の方に向いてるかも。
但し、リカーブボウより確実に本体重いので、それを支える筋力(というか肩の力)が必要です。あと、威力が高いので、取り扱いには細心の注意が必要です。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
リカーブボウと違い、コンパウンドボウは引ききるリーチが固定されてる。それよりも手前だと安定しないし、それ以上引くのは構造上出来ない(無理すれば内側のケーブル切れるけど、人間はそこまでの力出せない)。そのリーチだが、私の腕の長さではちょっと長すぎ。かなり無理して後ろに引いてる。
で、気になったのがこの穴開いてるプーリー。この数字は、もしかすると引くリーチを示してるんじゃないかと。


レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
試しに外側のネジ外してみたら、簡単に動かせた。内側のネジはしっかり締め付けられてたが、この範囲内で動かす分には外さなくても良い。
で。まずはこの位置で固定してみる。
上下共に合わせて引いてみたら、リーチがめちゃ短くなってる。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
色々試した結果、この位置で決定。出荷状態から2穴半ほど移動。私の腕の長さ的に、丁度良い塩梅になりました。
引く距離が変わった事でピープサイトの角度も少し変わったが、前の引っ掛ける部分を下に下げる事で改善されました。
あと、引く距離が短くなった分威力が下がるが、この程度だと威力にほとんど変化は無かったですね(相変わらず雑誌貫通する)。


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最初から感じてた、グリップが細く感じる点。グリップの材質は単なる樹脂で、アルミのリカーブボウのようなラバー製じゃない。しかもこの樹脂グリップ、PLがめちゃ目立ってる(中国製のプラスチックパーツはPLが大きめ)。丸ごと変えたい所だが、エアソフトガンと違って汎用パーツがある訳じゃないので、自作するしか道が無い。
ただ、全部を作るのはちょっと大変なので。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
中央の部分のみ、木を削って自作しました。100均の安い端材なので、めちゃ柔らかいですが。塗装は、模型用ラッカー塗料のクリアー赤。木工用ニスだと、触っても平気なくらいまで乾燥させるのに数日要するので(しかもこういう赤色って無いし)。
左手で握った時、掌に丁度の膨らみと指が凹みに合うよう加工したので、握り心地が改善されました。見た目的にもワンポイントになってます。



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これもアリエクで購入した11インチスタビライザー。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
ちっと格好良くなりましたね。
ただ、この長いスタビ付けたままだとボウバッグに入らないので、運搬時は外す必要ありますが(ボウバッグは来月にでも)。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
これもアリエクで買った20mmアタッチメントとドットサイト。ドットサイトとセットのを購入(無しと比べて1000円アップした程度)。
ドットサイト自体は点灯も調整も問題ないが(ドットの形状は4種類、色は赤と緑)、レンズにちょっと歪みあり。丸いドットが楕円に見える。まあ、安物だし。
ちなみに電池は付属しないので、100均で購入。



レベル0のアーチャー、コンパウンドボウを買う
ドットサイトの取り付け位置が高過ぎて狙った位置より下に着弾してたので、L字型の金具の上にネジ穴追加し、下に下げてます(ネジ1本だと固定が甘い)。
また、ピープサイトからドットサイト覗いた時、ドットが見えるように角度も調整。



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あと、レストのブラシ部分に1.2mmプラ板張って、内側に狭めて6mm専用に。
これらを施した結果、命中精度が劇的に向上しました。しっかり狙えば、ドットで狙った位置にほぼ当たります(マンファクターの割合が大きいので、100%は無理)。
また、何度か試射して、狙い方も理解してきました。引いた状態の右手の甲は頬にがっちり固定し、左で狙いを定める事。右手がフラフラしてたら、しっかり狙ったつもりでも大きく逸れる。



アーチェリー始めて数ヶ月、最近買ったコンパウンドボウでやっと理解が深まりました。まだまだレベルゼロのアーチャーですが、精進して大きな大会とか出てみたいですね(大会でドットサイトの使用が認められるかどうか不明ですが)。まあ、練習場の確保が当面の課題ですが(地元には弓道場はあるがアーチェリー使えない。25km先の総合運動公園内にアーチェリー場あるのは確認してるが、冬季使えない。あと、指導者無しでどこまで独学で出来るやら・・・)。




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Posted by Timm_MK2  at 13:00 │Comments(0)アーチェリー

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