CATEGORY:S&T リー・エンフィールド

2021年07月11日

S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解

S&Tのリー・エンフィールド、ボルト引いてピストンコッキングする時の内部のスプリングが擦れるゴリゴリ感や、トリガー引いてシアが解放される寸前の粘り感、弾道の不安定感(たまにちょっとだけ左右に散る)が気になってました。また、マガジン抜いて下から覗いた時に見える、シリンダー内部の汚さも。
なので、分解整備する事にしました。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
分解の手順は、見えるネジを順番に外していく事。
外から見えるネジは全てマイナスヘッドなので、大きめのマイナスドラーバーが必要。
まずは、先端の金属パーツ(実銃のパーツリストによると、Nosecap)を外す。これはネジ2本外すだけ。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
外す前に、パーツの向きとかも画像メモしておく必要ある。
このフロントスイベルは、金型の押し出し跡がある方が前。外してしまうと前後が分かりにくくなるので、こうして残しておく。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
スイベルバンドを外す。下のネジ外してから上の軸を支点に開く。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
スイベルバンドのすぐ後方のネジ(インナーバンドスクリュー)を外すとインナーバンドがフリーになり、フロントハンドガードが外しやすくなる。
フロントハンドガード先端の金具は、軽く嵌め込まれてるだけ(左右にあるピンのような形状は、単なるモールド)。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
前にある大きなネジと、後ろから左右留めてるネジを外して、トリガーガードを外す。
マイナスヘッドだと滑りやすいので、特に後ろのネジ外す時には注意。ドライバー滑らせて、ストック根元にちょっとだけ傷付いてしまったので・・・。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
フォアストックを分離する。前後一体型の木製ストックが多い時代に、前後セパレートタイプのストックは珍しかったのでは?
コストが嵩むのも頷ける。
リアサイトプロテクターの下にも大きなネジあるが、これはプロテクターのみ固定してるだけなので、外さなくてもシャーシからストック分離できる。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
セットピン抜いてボルト引き抜く予定が、途中で引っ掛かってたので、トリガーユニット取り外す(内部の固定は、ほとんどプラスネジ)。
しかし、まだ引っ掛かりある。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
どうやら、このBB弾をマガジンから押し出すパーツが引っ掛かってるようだ。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
樹脂リングを精密マイナスドライバー使って引き抜き、BB弾を押し出すパーツを外すと、ボルトシリンダー引き抜ける。
ボルトシリンダーの横に付いてるエキストラクターっぽいパーツは、シリンダー後方の凹みに浅く嵌め込まれてるだけなので、嵌め込みから外してボルトシリンダー引き抜く。
その後、ダミーエキストラクターっぽいパーツをレシーバーから外す。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
BB弾をチャンバーまで導くバイパスパーツのネジ、レシーバーとチャンバーを固定してるネジを外して前後に分離する。
チャンバー下の短いネジはついでに外しておいた(前後分離には外す必要ない)。
バイパスパーツはシルバーのパーツに嵌め込まれてる感じなので、実際にはシルバーのパーツ外した方が、組み立て時は楽になる(でないと、組み立て時にちょっと面倒)。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
リアハンドガードを外す。
板バネ状のパーツでがっちり固定されてるので、外すのは困難だが、これ外さないとインナーチャンバー取り出せないので。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
ホップ調整用のツマミを外して、インナーチャンバー&インナーバレルを引き抜く。
アウターのチャンバー部分とインナーチャンバーは2本のネジで下から固定されてるが、2つ前の工程ですでに外した後なので。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
ホップレバーガイドを外してホップレバーを外す(反射してシルバーに見えるが、実際は黒い樹脂)。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
インナーチャンバーは亜鉛ダイキャスト製。ネジ切った時に出たらしい切削屑が残ってたので、清掃しておく。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
インナーチャンバー分解。BB弾ストッパーの飛び出しに注意。
ホップアーム(で合ってるかな?)は樹脂製で中央が凹んでて、クッションラバーは無く、樹脂で直接チャンバーパッキン押すタイプ。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
チャンバーパッキンはVSRタイプ。
ホップ用の切り欠きは、仕上げがあまり良くない。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
ホップの突き出しはフラットで、ちょっとだけ前後幅がある。
ゴム質は海外製の割には柔らかめで、0.2~0.25gに適した硬さと思われる(海外製は大抵ゴム質硬い。日本よりもパワーが出てて、重量弾(0.3g以上)が多い為)。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
インナーバレル長は570mm。カスタムパーツに交換する際「VSR用 570mmインナーバレル」ってのが最適かと。
この長さでアウターのマズルぎりぎりなので、長い場合はカットする必要出てくる。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
PDI Wホールドチャンバーパッキン VSR-10、マルイGBB用を試しに組んでみた(手持ちがあったので)。
こちらの方がホップが安定してるので。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
組み立て途中で気が付いた、S&Tのメーカー刻印。リアハンドガードで隠れる部分なので、普段は全く見えない。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
ボルトハンドル分解しようとしてドライバー当ててから気が付いた、マイナスネジのモールド。一体成型なので、回せません。
分解には、コッキングピース根元のナットを、スパナ使って回す必要ある(ラジオペンチではびくともしなかった)。今回は分解無し。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
シリンダー分解。シリンダーヘッドをラジオペンチ使って回すだけ。
内部のグリスは汚いというか、なんでこんな色のを・・・。
ピストンスプリングが通る部分には、グリス塗られて無かった。
ちなみに、シリンダーはスチール製。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
スプリング先端は線をカットしてそのままって感じだったので、ミニルーターの砥石カッター使って削り、座面が平らになるよう加工する(両側)。
こうする事でスプリングが捻じれた時に多少回転する事で、捻じれが吸収される(サイズの合うワッシャーやベアリング付きガイドがあれば、そっちの方が)。
スプリングガイドはスプリング内径に対して細すぎて、ガイド接地側のスプリングが逃げまくるので、アルミパイプでガイド基部を太らせる。
ガイド自体は亜鉛ダイキャスト製で、仕上げはイマイチ(PLの処理と表面磨いておいた)。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
ピストンはアルミ製で、ヘッドには後方吸気用の穴が開いてる。
スプリング通る部分は角が立ってて、コッキング時にスプリングと擦れてゴリゴリ音が出る原因だったので、ペーパーやすりで削って角を滑らかにしておく。
組み立て時は、この部分にもグリスをたっぷり塗っておいた。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
トリガーユニット分解。基本構造は、マルゼンAPS-2とほぼ同じ。
こちらは、透明なグリスがたっぷり塗られてる(但し、ピストンシアには塗られてない)。
同社のKar98k Anotherと違って、トリガーの加工は必要無さそう。
これ以上分解せずに組み立てたが、ピストンシアの加工に取り出す必要あったので、再び左右にバラして、ピストンシアを取り出す。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
ピストンシアはスチール製だが、とにかく角が立ってて表面が荒い。
トリガーシアの、ピストンシアと接する部分は真鍮スリーブ入ってて摩耗防止に一役買ってるが、グリスが塗られてないのと、ピストンシアの先端が尖ってる為、解放直前の感触の悪さと今後の摩耗に繋がる。なので、ピストンシアの下の部分(トリガーシアと接する部分)の先端の角を削って滑らかに加工、擦れる部分の表面もペーパーやすりで均しておいた(ブルーイング済み)。
ピストンシアは軸穴の前がカットされてて、これはシアに掛かる応力を吸収する為か?その内、金属疲労で折れそうな気もするが(まあ、何千発と撃った後だろうし、そこまで危惧する事も無いか)。
ピストンシア以外は全て亜鉛ダイキャスト製。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
組み立て時は、分解時とはちょっと手順変えてる。というか、これが本来の分解手順じゃないかって感じで組み立てていく。
レシーバーを、ボルト側とチャンバー側でそれぞれ組み立てておいてから、前後合体する。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
チャンバー側のボルトシリンダー通る部分も、角が立ってたのと表面仕上げ悪かったので、磨いておいた。
ボルトの前進がスムースになるように(撮って無いが、ボルト側のシャーシ内側も磨いてある。組んだら見えない部分なので、グリス塗っただけでブルーイングしてない)。
BB弾押し出すパーツも、チャンバー組む前だと楽に着脱できる(分解時はチャンバー組んだ状態だったので、外すのに一苦労)。
前後合体させた後、BB弾のバイパス付ける。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
前後合体させ、フォアストックを組む前にリアハンドガードを組み付ける。
組み付け時に固定金具の板バネにグリス塗っておくと、多少は組み込み楽になる。板バネがめちゃきついけど、その代わり組み立てた後は全くガタが無い。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
トリガーガート組んだ後試射してみたら、ボルトハンドルが起きない。原因は、トリガーの戻りが悪く、ボルトハンドル起こした時にトリガーをロックするパーツが邪魔になっててボルトハンドルが起きなかった。トリガーガード組む前の空撃ちでは問題無かったので、どうもトリガーとガードの隙間がほとんどない事の弊害のようだ。
再びトリガーガード外して、トリガーと擦れてると思われる部分を金属やすりで少しだけ削る(削り過ぎると隙間が大きくなり、見た目が悪くトリガーのガタも大きくなる)。
あと、金型で成形した後PLくらいしか後加工してないようで、角には少しだけどバリが残ってる。なので、トリガーと擦れる部分を削ってブルーイングしておいた。



S&T リー・エンフィールド No.1 MKⅢ エアーコッキングライフル 分解
分解ついでにKar98kでいう所のダミーエキストラクターっぽいパーツも表面磨いてブルーイング(先端の出っ張ってるパーツにはPL残ってたので処理も兼ねて)。
この部分、実銃では先端の大きく出っ張ってるパーツは「Bolt head,Stripped」と言って、ファアリングピンのガイドとエキストラクター内蔵している。
Kar98kとは違い、エキストラクターは隠れてて見えない。また、後ろに延びてるパーツはボルトボディと一体で、ボルトを回転させると真上に向く。
このエアコッキングではボルトシリンダーは回転しないし、後方の凹みに噛み合わせて嵌め込まれてるだけ。ボルトと一緒にそのまま後退する(ボルトハンドルは回転するけど、ボルトシリンダー自体はそのままなので)。



BB弾込めて試射。0.25gの場合、ホップレバーをかなり後方までスライドさせてやっとといった感じ。その分、弾道は安定してる。
0.2gだと、ホップレバーは前から1/3くらい。低伸性がものすごく、すーっと伸びていく。ただ、30m超えた先での安定感は、0.25gに劣る。
初速は、0.2gバイオBB弾での0.2g適正ホップ掛けた状態で、87~89m/s。チャンバーパッキン交換前とほとんど変わらない(実際には交換前に測定して無いけど、箱に張り付けてあった表を参考に)。

ボルトの前後動やトリガーの感触は、かなり改善された。特にトリガーは一段軽くなった感じで、精密射撃がしやすくなった。
これで、撃って良し眺めて良しの、超お気に入りのエアガンに仕上がりました。
木製ストックは綺麗だけど傷つき易いので、使用や保管時は特に注意必要ですが(複数立てかけた状態で雪崩式に崩れるとかしたら、悲惨に・・・)。




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Posted by Timm_MK2  at 10:32 │Comments(2)S&T リー・エンフィールド

COMMENT
こんにちは。私は韓国人です。
Triggerbox分解で詰まったのですが、分解するときに進行する方法はありますか?
Posted by korean at 2021年12月08日 13:37
korean さん、はじめまして。

Triggerboxの分解ですが、ネジを全て外すと左右に分割出来ます。その際、スプリングの反力でパーツが飛散する可能性あるので、慎重に分割して下さい。
組む時は、パーツの向きや配置、スプリングの向きに注意して下さい。
内部構造は、マルゼンAPS-2と同じなので、分からなくなったら検索して調べて下さい。
Posted by Timm_MK2Timm_MK2 at 2021年12月09日 07:50
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